成熟した戦士の話

みなさん、こんにちは。
この前は、攻撃性のことから
怒りを洗練して、表現するところまで、お話ししましたね。

でも、これは重要なテーマで、まだまだ、深められそうだなと思っていました。

今日もまた、誰の中にでも存在している攻撃性について
深めていければと思います。


相談の窓口を開いていると
ある共通の相談が多いことに驚きます。

攻撃性をあらわにする父親がいる家庭で
いつも言葉の暴力、直接的な暴力に怯えていた。

あるいは学校でいじめにあっていたために
自分を表現するのを抑えてきた、という人が多いのです。
そのことで、いつも敏感に、周囲の人たちの顔色をうかがい、話を合わせる能力を発達させてしまった。
それが、大人になったいま、人間関係や仕事を進める上で
大変な不都合になっていて
どうすれば手放すことが出来るのか、などという相談です。


子ども時代、攻撃的なエネルギーに怯えながら生きていると
自分を出さないように、傷つかなくて済むように
怒りも含め、とにかく感情に蓋をして、押さえ込むのは当然です。


しかし、誰にでも存在する攻撃性、あるいは怒りの感情を不自然に封じ込めてしまうことが
後々に、自分自身を蝕んでしまいます。
もちろん、怒りの感情だけなく、喜びや楽しみの感情、悲しさや悔しさなど
あらゆる感情について、起こりうることだと思います。


そして、いざ、感情を表現すべき場面にきたとき
どうすればいいのか、分からなくなってしまいます。
分からないからこそ、怒りや攻撃性を自分で抑えることが出来ず
爆発させてしまうことに悩んでいる人もいます。


前回から言っているように
誰の中にも、攻撃性は存在し、怒りも存在していて当たり前です。

人間なのですから、良いとか、悪い、ということではなく
存在そのものを、まず認めることでしか、先に進むことができません。
一番よくないのは、そもそも感情を、無いものとして抑圧してしまうことです。

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 ◆攻撃性は男性にだけ宿るのではありません
 
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まず、原型(アーキタイプ)になる概念から、考えてみましょう。

以前にも書いたことがあるのですが
「戦う・攻撃する・怒りを爆発させる」ことは、男性性的な機能です。

男性性とは、男性にだけ存在するものではなく
誰の中にも「男性性」と「女性性」の両方があることがポイントでしたね。

たとえば男性は、自分の中の「男性性」を主に生きつつも

自分の中の「女性性」を発見し、認め、それを高めることが出来れば
、とても充実した人生を生きることが出来るでしょう。
女性の場合は、自分の中にある「女性性」をメインとしつつ

もし「男性性」を、上手く表現できるようになれば

ひとりの人格として、ほどよく統合された素敵な人になることができるでしょう。

性同一性障害についても、いろいろな考え方があると思いますが
ここでは一応、省かせていただきます。


つまり、男性性は、男性だけでなく、女性のなかにもあり

戦うこと、怒ること、攻撃すること、爆発することは、当然ありえます。
そして、これを認め、向き合うことは、男性にも女性にも、等しく必要なことです。



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 ◆私たちはむしろ、戦うことを求めている?
 
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以前の分を読んでいただいた方には
復習になってしまうかもしれませんが
アーキタイプの中には「戦士・Warrior」という型があります。

言葉の内容から、どんな型か、だいたい想像できますね。

戦士

戦士が放つ光は
相手を見つけ、それと戦い、勝つことを目指しています。

常に戦い、勝ち続けることで
いままでとは違う何かを創ることを喜びとします。

あらゆる障害を跳ねのけ。チャレンジすることを価値とします。

一方で、戦士の影は
戦うこと、勝つことで、自分の力を過度に誇示しようとした結果

あらゆるところで争いを引き起こしてしまいます。

他者への思いやりに欠けることもあれば、非情、残酷に思われることもあります。

この戦士の型には
「男性性」の特徴が、はっきり現れています。
実際に、世の中には、この戦士の型から創られる物語が
割りと多くあります。
レンタルビデオの店に行って、棚を眺めれば、よく分かると思います。
戦いがメインになっている作品が、ずいぶん多いのです。
アクション系はもちろんですが、戦争モノ、ヤクザモノ、時代劇、ホラー
あるいは青春学園モノ、恋愛モノのの中にさえ、戦いのシーンが含まれていたりします。

暴力や武力を使わなくても、言葉やお金などを使いながら
他人と争うものを含めると、数限りないですね。

私たち人間が、いかに戦いを好むのか
いかに戦いを必要としているのかを考えると
目眩を起こしそうになりますね。



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 ◆戦士として成熟すること
 
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でも、戦いそのもの、戦士の特徴を
単に否定しているわけではありません。

皆さんは、大ヒットした「エイリアン」の主人公、シガニー・ウィーバーが扮するリプリーという人物を、ご存知ですか?

この女性は、まさに戦士のアーキタイプを生きている人間です。

彼女は、最初こそ自分の命を守るために戦っているだけですが

ストーリーが進むに連れ、戦う理由が変わっていくのです。
最後には、地球を救うために命をかけて戦っています。
彼女は、終始、「戦士」であることに変わりはありませんが
物語の中で、「戦士として」成長しているのです。

最も粗野な戦士は
単純に、戦い、暴れ、発散する事を目的にします。

弱い物をいじめ、他人に八つ当たりをしたり、自分の思い通りにならない事があると暴れるだけです。
また、粗野な戦士は、手段を選ばず、しかも、自分のためにしか戦うことを知りません。

自分のために戦うことの中には、「自分いじめ」も入っています。

攻撃性を他者に向けるだけでなく、内向させ、自分自身を傷つけはじめます。

次の段階に進むと、戦士は、何か正しいと信じるもののため
自分や他者と戦いはじめます。

試合や競争など、平等な場で戦うためのルールを持ちはじめ
他者を守るために戦う、という利他性や道義を持ちはじめます。


しかし、更にレベルの高い戦士も存在するのです。

この戦士は、もはや「勝つ」ことに執着がありません。

相手を倒すのではなく、自分も相手も、一番良い方向に進むには
どうすればいいのかを、ただ考えます。

相手を侮辱し、怒らせるのではなく
相手の言葉をよく聞き、お互いのコミュニケーション回路を増やしていきます。

これは、個人的な利益をすでに越えています。
お互いの道を探し、広げていくために、もっと大きな視野で挑んでいるというべきです。



戦士のレベル

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 ◆あなたは、何と戦っていますか?
 
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私たちの日常は、どこにいっても戦いの連続に見えます。
学校のテストがあり、就職試験があり、就職しても仕事の業績を上げることに必死になります。
安くて、いいものを手に入れるため、毎日を必死で戦います。

夫と妻、姑と嫁の主導権争い、親子げんかも起こるでしょう。

電車に乗る時の座席争いだってあります。
好きな人の気を惹くために、あれこれと、戦略を立てることだって、これに含まれるかもしれません。

これらは、私たちが生活する上で
確かに必要なことですが
私たちはいったい、どのレベルで、戦っているのでしょうか。
相手を傷つけるためでしょうか
自分の正しさを証明するためでしょうか
自分の利益を大きくするためでしょうか
それとも、ともに良くなる道を探るためでしょうか?


ぜひ、あなたが、ふだん戦っているものをリストアップしてみてください。

そして、それぞれについて、どのレベルで戦っていると思うのか
正直にチェックしてみてください。

いきなり自分のことをチェックするのが難しければ
ドラマやアニメの登場人物たちが、何と、どのレベルで戦っているのかを
まず考えてみるのもよいでしょう。


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 ◆粗野なレベルでの戦いをどうするか?
 
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とは言え、そんなに洗練された戦いばかりがあるわけではありません。
現実的に、ただ勝つため、相手を倒すために
粗野な戦いを繰り返している自分を発見してしまうかもしれません。

でも、まずは、粗野なレベルで攻撃性や怒りを表現してしまった自分を
許すことが大切です。
いまのアナタ自身を、否定してしまっては、始まりません。

そして「108回音読する元型」を使って自分を少しずつ深めていくのです。

(これはかなり役立つ考え方だと思います)

粗野なレベルから、次に自分が信じるものを守るため、少し利他的なレベルで戦いを表現できれば
どういう自分になれそうかを、イメージしてみるのです。

今までの生き方は、すでに確固たる方法として、太い道となっています。

もし、それではない新しい道を造ろうとすれば、まずは、その新しい道のイメージを造ることが大切です。

そして、イメージが出来たら、新しい道を実際に歩く練習をしていきます。

いきなり出来なかったからと言って
自分を責めないでください。
根気よく、ゆっくり進めていけば、今度はその、新しい道が、確固たるものとして定着します。

って、書くのは簡単ですが。。。
実際には、時間もかかりますし、その人に合った形での工夫も必要かもしれません。
なかなか自分の事は見えませんから、一人で考えるのが難しいようであれば
どうか遠慮なく「メールdeカウンセリング」に、ご相談ください。


そして、自分を否定しそうになったときには
怒りも、戦いも、攻撃性も、それそのものは必要な事だし、自然な事なのだ、と思い出してください。

ただ、その内容を、質を、変えることで、大きく生き方が変わるはずなのです。

怒り・戦い・攻撃性は、どれも意欲や勇気、積極性の根源です。

否定し、抑圧するのではなく、より高いレベルで表現できるアナタになれたら、素敵ですね。