生きにくさ、を、どう理解するか

みなさん、こんにちは。

実は、最近、自閉症傾向に関してのご相談が続いてあったので
ちょっと書いてみる事にしました。

他の人にはあまりストレスにならないような事が、
自分にはものすごくストレスになる。
普通に生きているだけなのに、様々な事がとてもとても辛い。

そんな風に自覚している方は、いらっしゃいませんか。

生きにくさの理由はさまざまですが
今回は脳の発達障害、自閉症傾向について書きます。

私の娘の一人は、アスペルガー症候群です。
分かったのは去年でした。
それであれこれ調べたり勉強しに行ったりしましたが
自閉症に関する分野は
諸説がある分だけ
沢山の勉強会、自閉症の子どもを助けるための様々な工夫、考え方、サポート体勢と
本当に色々あります。

私には関係ない話題だわ、という方も、お読みいただけると嬉しいです。
こういう人たちが居ることを知ってもらいたいです。

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 ◆違和感の連続
 
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私は物心ついた頃から、普通に生きていることが
苦しく、辛いと慢性的に考えがちでした。
そして、心理学や精神医学に興味を持ちました。

まだ専門書がほとんどない時代でしたが、手に入る本は読んでいました。
結婚して子どもを産んでからは
本格的にカウンセリングの勉強をして、資格をとりました。
それでも、自分自身の苦しさが減ることはありませんでした。

長女を産んだ時、この子は何か違う、という感じがありました。
子育てをしながらも
娘を育てるのがなぜこんなに大変なのか、
なぜ他の子どものように話しが通じないのか、
なぜものすごいスローテンポなのか、
なぜ本当に些細な事ですぐに腹を立ててそっぽを向くのか、
などなど、あらゆることに、とても悩みました。
母親としての自分の未熟さが原因だと思いましたので
一生懸命に悩みました。

心理学の勉強をして努力しても
自分自身をクリアーにしても
娘との関係はうまくいきません。
とうとう娘に、統合失調症の症状が出始めました
恐れていた事がついに現実になりました。

それから数年後、大きなターニングポイントが来ました。
ある先生に診断していただき娘は「アスペルガー症候群」が元々あり
それゆえに普通の人よりも生きにくく、非常にストレスを受けやすいのだという話をされました。
受けたストレスがまた
フラッシュバックして苦しいのだ、とも教えていただきました。

これはもう、私にとってはものすごい出来事でした。
今まで納得のいかなかった事、どうしても分からなかった事が、
「発達障害」「自閉症」「アスペルガー症候群」という枠組みを知ることで
突然に、ものすごく納得出来ました。

私は娘を精神医学や心理学の枠組みからしか考えた事がありませんでした。
実際、小学生時代から円形脱毛症になったり、強迫的な症状が出たりもしたので
てっきり心理的なものだと考えていました。

それからは
自閉症やアスペルガー症候群、つまり発達障害について
広く勉強をしました。

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 ◆過去が整理される
 
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私は思春期からずっと、父を嫌っていました。
父の事は何度か書いたことがあるのですが、言ってしまえば人畜有害な人でした。
私は四六時中、父の怒りと恐怖の爆撃を受けていました。

勉強して分かったのは、父もアスペルガー症候群とADHD(注意欠損・多動性障害)だったのかもしれない
という事です。
私もADHD(注意欠損・多動性障害)傾向で、自閉症傾向があるようです。
そして娘はアスペルガー症候群。
遺伝性だと言われているので、それも納得でした。

ADHD(注意欠損・多動性障害)は自閉症の仲間と考えられていたり、
別のくくりになっていたりするようですが、
自閉症と近いものでもあります。
なので、私はまとめて「自閉症傾向」と、さしあたりは呼んでいます。

父はアスペルガー症候群だったので
物事の感じ方が普通の人と違い、非常に敏感に反応してしまう傾向にありました。
それで、様々なことを恐怖として
受け取っていたのだと思います。
予定の変更にも弱かったです。
何度も前もって予定をチェックしたのに
その場の流れで予定を変更したりする事に、ものすごいストレスがありました。
ストレスがかかると、一気に爆発して怒鳴り出します。

予定の変更が苦手だったり、
ストレスがたまると怒鳴り出す、というだけでは、案外多くの人にある事ですが
その度合い・頻度が普通ではないんです。
物事の感じ方は本当に個人差が大きいのだと思いますが、
普通の人が2くらいに感じるストレスを
父は20~100くらいに感じていたのではないかと思います。

引っ越しをした時に、間取りを父に見せたのですが、
父は、強盗が拳銃を持って乱入して来た時に、
私たち家族がどのルートで逃げたらいいのかを考えてしまったそうです。
最悪の事態を次々に考えてしまい、とうとう吐いてしまったのです。
そんな事をイメージして、本気で心配するのもかなり辛いですよね。
そしてお医者さんに行ったら胃潰瘍だと言われたそうです。

父は人の気持ちが分からず、空気の読めない人でした。
物事をすべて自分の都合、自分の考えだけで推し進めましたので
周りの人たちの都合や気持ち、考えは常に無視されました。
私は随分傷ついたのですが、それもこれも、いま思えば自閉症傾向の人の特徴です。

父がなくなった後、父の寝ていた場所に布団を敷いて寝たら、
なぜか私は、恐怖にうなされて生きた心地がしませんでした。
場に父のエネルギーが残っていたのでした。
私はこの時、父がものすごい恐怖の中に生きていたのかもしれない
という事をリアルに感じました。
多分、わたしの長女も、似たような恐怖の中で必死に生きてきたのでしょう。

以前の私の父親像は
「常に恐怖から発想する、マイナス思考の人畜有害な人」でした。
父がアスペルガー症候群だったのかもしれないと思った後は
「生まれ持ったアスペルガー症候群がもたらす恐怖の中で、自分らしく必死で生き抜いた愛の人」
に変わりました。

私は「アスペルガー症候群」や「自閉症」というものを知った事で
いろいろなことが楽になりました。
妙な話ですが、父が大好きになりました。

そして自分自身の中に自閉症らしき傾向を見つけると、
以前は「だから私はダメなんだ、どうしたら治るだろう…」と考えたのですが
今は「自閉症傾向は受け入れて、工夫するしかないんだから、工夫を考えよう」
と思っています。
自分を責める感覚がなくなったのです。

もっと早く分かっていたら、と思います。
父の恐怖を減らす工夫も可能だったと思います。
もっと早く分かっていたら
長女の恐怖を減らす工夫も出来たでしょう。

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 ◆受け入れる、こと
 
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何をお伝えしたくてこんな事を書いているのかというと
自閉症傾向やアスペルガー傾向を持つ人は
思う以上に、案外たくさんいらっしゃるかもしれないです。

そういう方が感じている、説明するのが難しい苦しさ辛さは
一般的に言われる「なまけ」や「さぼり」ではない事を知ってください。

そしてそれを少しでも軽くする方法が沢山開発されています。

もしあなたが自閉症傾向なら、それを知っていた方が生きる事が楽になります。
苦手場面をどうしたらいいのか考える事が出来ます。

自閉症には「スペクトラム」という言い方があり
どこからが正常でどこからが自閉症という明確なラインを引くことは出来ません。
よくある特徴も下に書きますが、個人差が本当に大きいですから
ピタリ当てはまる、当てはまらないことはありません。

もし仮にあなたや家族に自閉症傾向があるとすると
それは努力して治したり、頑張ったりするのは、逆に当人も周囲も苦しむことになるかもしれません。

変える事のできない事を受け入れる平静さを
変えられる事を変える勇気を
そしてそれを見分ける知恵を授けたまえ

という言葉がありますね。

もし仮にあなたに自閉症傾向があるとしたら、
それは「変えられない事」かもしれません。
受け入れるしかない事かもしれません。
それはあなたのせいではないし、両親の育て方のせいでもなく、
生まれた時から決められていた遺伝的なものです。
そして、天があなたに何らかの想いを込めてプレゼントしてくれたものかもしれません。

自閉症傾向を「恵み」だと想えるようになるには
当事者も家族も並々ならぬ努力や浄化のプロセスが必要かもしれません
それでも、私は「恵み」だと信じています。

今は恵みだと想えなくても、とにかく「自閉症傾向」があるのだとしたら、
それをそのままで受け入れてください。

受け入れる

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 ◆変えようと頑張りすぎない
 
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他の人にはあまりストレスにならないような事が、
自分にはものすごくストレスになる。
普通に生きているだけなのに、様々な事がとてもとても辛い。

と感じていらっしゃる方には
自閉症傾向、アスペルガー症候群傾向の方が案外いらっしゃるかもしれません。

私の周りにも、何人かいるように思います。
(それは、私が勝手にそうレッテルを貼っているだけですが)

しつこいですが、もう一度書きます。

自閉症傾向やアスペルガー症候群傾向は、
「変える事のできないものを受け入れる平静さ」で対応するものだと思います。

それまでの私は、なんとか変えられるのではないかと考えていたので
心理学や精神世界の知恵を借りてなんとか…
と思っていました。
でも、いまは違います。

自閉症傾向の特徴を私なりに考えて、以下に書いてみますが
ネットで検索すると大量に出てきますから、
もしや…と思うかたは是非、詳しく調べてください。

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 ◆特徴が招く、受苦
 
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察する能力が低い。
空気が読めない。
耳から聞いた話を理解しにくいが、目からの情報は受け取りやすい。
何かに対する強いこだわりがある。
予定外の出来事や予測の出来ない事に強いストレスを感じる。
辛かった出来事を忘れる能力が低い
言動のぎこちなさ、不自然さがある
ある場面では特異な才能を発揮することがある

これらの結果として、

対人関係がうまくいかない
コミュニケーションがうまくとれない
行動や興味の場面が限られる

などの具体的な受苦があります。

もっと直接的には
他人の気持ちや立場が分からないので、友達が出来にくい。
いじめられやすい。
普通の人がなんなく出来る事を、覚えるのにとても時間がかかったりする。
辛かった出来事のフラッシュバックに苦しむ事がある。
予定外の出来事や予定変更は、かなり強いストレスになる。
社会に適応しにくく、ひきこもりになる人も多い。

というような事が起きやすいです。

もちろん「こだわり」がプラスに働き
その分野で偉大な業績をあげる人もいらっしゃいます。

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 ◆これからのために
 
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自閉症の勉強会やセミナーは、たくさんあります。
多くの会が開かれていて、みなさん熱心に勉強しています。
特に自閉症やアスペルガー症候群の子どもを育てるのはとても困難なので
どんな風にコミュニケーションを取ったらいいのか、
その方法と技術とツールは随分開発されています。

ご自分の子どもさんや家族が、もしかしたら…という感じでしたら、
勉強会を覗いてみるといいです。
サポートしてくれる人も物も、沢山ありますから。

大人の自閉症傾向の人への対応は遅れています。
それについて
どんな風に工夫していったらいいのか、というお話は、次回にしたいと想います。

私には関係ないわ~

という方も、ぜひ目を通してくださいね。
きっと何かヒントが見つかります。

自閉症傾向のある人が、もっと楽に生きられるようになりますように。

信頼する