弱さを受け入れられるように

みなさん、おはようございます
今日は、昨日の続きで
自閉症傾向の方にどんなサポートが可能なのか、についてです。

とは言え、最終的に考えたいのは
特に自閉症傾向のない方たちも含めた
どういう社会の作り方がありうるのかという話です。

私がここで「自閉症傾向」と呼んでいるのは、発達障害の一種で、
「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」と呼ばれる
いわゆる知的障害のない人を想定しています。

そして「自閉症傾向」と「内向的」であることは
違っています。
自閉症傾向でも外向的というか、どんどん外に出て人と関わっていく人さえ
いるわけです。

今回のような私の発想は、もっと広い範囲に応用可能です。
私たちの普通の日常生活に生かすと、コミュニケーションがよりスムーズになると思います。

ただ、何から前提を始めるかという意味で
今回は、大人でなんとか学校を出て社会人として生きているけれど、
どうも自閉症傾向があるかも…
という方が家族や友人にいる人を対象に書き始めます。

子どもさんが自閉症傾向の方には、割と多くのサポート機関が準備されつつありますので
公的機関やNPOなどを調べられると思います。
専門のお医者さんもいるし、親や教育者対象のセミナーもあります。

なので、サポートがないわけではないのですが
まず、子どもさんが自閉症傾向かもしれないと思った時の課題は、
自分の子どもが自閉症傾向だと思いたくない、という親としての葛藤かもしれません。
重度の自閉症だとそんな事を言っている余裕はありませんから、
多分あちこち必死で探して、なんとか少しでも楽に生活できる方法を探すでしょうが

現実には、そこまでではない、でもいわゆる定型発達の子どもとは「少し」どこか違う…
というあたりだと、親の側に葛藤が生まれるかもしれません。

でも、現実は受け入れるしかありません。

どんな内容の事であれ、現実をそのまま受け入れた時にこそ、可能性の扉が開きます。
目を背けて可能性を閉ざしているだけの期間は
あなたの大切な子どもさんは、むしろ沢山の苦痛と
トラウマを蓄積してしまうのかもしれません。

昨日、書いたように、自閉症傾向があると
普通の人よりも沢山の、深いトラウマを抱える事が多くなりがちです。
だとすると、克服させようと頑張ることが
逆の効果を生み続けることもあり得ます。

あなたの内側に吹く風 byハヌマーン神

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 ◆…そうなる、には理由がある
 
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もしかしたら自閉症傾向かも、と思われる方をAさんとします。
Aさんにどんなサポートが出来るのか、考えましょう。

1、まず、Aさんをよ~く観察してください。

どんな時に切れて怒りの爆発になるのか?
どんな場面が苦手なのか?
出来ない事、困難な事は何か?
あなたがその人と一緒にいてとても困るのは、どういう場面か?

これを徹底的に考えて、洗い出してください。
とても大切ですから、丁寧に洗い出してください。
Aさんに質問しながら探っていけると一番いいですが
Aさん自体が自分の困難な状況を、うまく表現できないこともあるかもしれません。
根気よく丁寧に付き合ってください。

2、それが出来たら、なぜそうなのかを推理します。

自閉症傾向の人の特徴を当てはめてみます。
昨日、一覧に舌も記事も参考にしてくださいね。
で、今私が浮かぶ事を並べます。

 
あれこれうるさく何度も確かめるのは
→先の予測が出来ない場面だと、非常に不安になるからかもしれません。

急な予定変更が納得できなくて怒り出すのは、
→変化や変更に弱くて、とても不安になるからかもしれません。

ニュアンスが伝わらない、皮肉も伝わらないのは
→言葉をそのままの言葉通りにしか受け取れないからかもしれません。

話の流れにうまくのれなくて浮いてしまうのも、
→言葉をそのままの言葉通りにしか受け取れないからかもしれない。

自己中で失礼な言動になるのは、
→予測能力が低いので、自分の言動の結果や相手への影響を予測できないからかもしれない。

何度も言ったのにわかっていなかったり、賑やかな所で話しかけると聞こえていないのは、 
→音の聞こえ方が普通の人とは違うので、本当に聞こえていないのかもしれない。

ほんの些細な事でパニックになったり、一人の時間が多いのは、
→過去のトラウマ体験がフラッシュバックして、その時の苦痛がリアルに蘇っているのかもしれない。

頑固で融通が利かないのは、
→自閉症特有の非常に強いこだわりがあり、妥協できないからかもしれない。

いつも常にマイナス思考で心配ばかりしているのは、
→普通の人の何十倍も生きている事が辛いので、沢山のトラウマを抱えているからかもしれない。
 
 
どういう状況で、今の困った状態が引き起こされているのかを推理していきます。
できたらご本人に、この事を確かめてみるといいですが…
まずは推察することです。

「いつもこうなるのは、もしかしたらこういう理由があるからなんじゃないの?」
と聞いてみてください。
そして、Aさんの中でどんな事が起きているのかを把握してください。

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 ◆観察して、はじめて対策がとれる
 
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ここまでできたら、Aさんの傾向を周りの人たちに分かってもらうための工夫です。
理解してもらう事と、苦手場面をサポートしてもらう為に
Aさんの状態を端的に説明できるような練習をするといいと思います。

その後は、Aさんが少しでも楽に生きていけるようになるために、どんなサポートが出来るかを考えます。
職場や友人との関係で、常に何かの困難を抱えているはずですから
それが軽減する方法を探します。

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 ◆どう伝えるか
 
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周りの人たちに分かってもらい
協力をあおぐために何をどう伝えたらいいのか…ということですが
周りの人たちの理解を得るためには、

 1、自閉症傾向があること
 2、特に苦手な場面はどういうものか
 3、そういう場面になった時、どう対応しているか
 4、相手にどう協力してほしいのか

を、この順番で話すことになります。

例えば私の娘は最近、しゃべらないという選択をしています。
なので、

1、この子はアスペルガー症候群です。
2、そのせいで、最近は全くしゃべらないしあまり反応しません。
なのでせっかく来ていただいて話しかけてもらっているのに、返事をしません。
3、無理にしゃべらせる事は出来ないし、反射的に言葉が出る事もあるのですが、
それ以上はどうしようもありません。
でも、食べるものなどは態度でちゃんと反応します。
4、話しかけても返事がなくてやりにくいかもしれませんが、
ちゃんと聞いているし、理解出来ている事も沢山あるようなので、
どんどん話しかけてください。

ということができます。
社会生活が出来ている大人という今回の設定から外れているかもしれませんが
考え方としては、同じです。
もう一つ例を考えます。

1、Aが非常に怒りっぽいのは、自閉症傾向があるからです。
2、Aは特に予定がハッキリとわからない事に非常に強いストレスがあり、
ストレスがたまると爆発します。
なのでいつも早めに予定をたてて、それを紙に書いて持つようにしています。
その予定が変更になるのも、普通の人の50倍くらいのストレスを感じます。
3、でも、どうしても変更が必要な時には、よりストレスの少ない方法として、
言葉だけで伝えるのではなく、具体的な事を視覚的に伝えるようにしています。
4、なので、どうしても予定の変更が必要な時には、変更になる予定を具体的に紙に書いて渡してください。
「具体的に書く」とは、例えば「適当な長さに切る」は理解できないので、
「5cmぐらいで、誤差は1cm以内」というようにしてください。
「夕方に到着」では不安になるので「4時前後、誤差は20分くらい」と表現してもらうと、とても安心できます。

こういう順番で表現すると、本人が自分で説明する時にも役立ちます。

1、私には自閉症傾向があり、
2、矢継ぎ早に色々言われると全く理解できなくなります。
3、なので、複雑なものは一つ一つ作業を区切り、順番通りに手順を紙に書いてやるようにしています。
4、なので、最初に紙に書き出すのに少し時間がかかります。
それに協力してもらえると助かります。

ということになります。
明確で分かりやすいですし
なんとなく、相手に悪い印象を与える事も少なくなるように思います。

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 ◆弱さを分かち合える社会
 
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自閉症傾向かどうかに関わらず、私たちはどこかに弱点を持っているものです。
ハッキリと目に見える身体的・精神的障害もあるし
よくよく聞いてみないと分からないような
心の傷から来る行動パターンや、どうしても苦手なこともあります。
そんなに大げさに言わなくても、あなたにもありますよね、弱点。

弱点を克服して頑張って生きてゆく方もいらっしゃるわけですが(修行系)、
克服するのが不可能だったり、難しかったりする人は、
その状況でいかに楽に生きていけるか、がテーマになります(お気楽系)。

自分の弱点を隠して、強がって、克服して生きていく
弱肉強食のサバイバルな生き方ではなく
それぞれが弱点をさらけ出しながら
助け合いながら生きていける社会を、私は作っていきたいです。

そのためには、

 A、自分の弱点を知っていて、
 B、それを受容していること、
 C、それを周りの人たちにオープンに出来ること
 D、他者の弱点も受容して助け合えること

が必要だと思います。

そしてそれをやると、弱点が強みになる事もあるんです。
その弱点に関わらせてもらったことで
逆に何か、意味のある体験が出来る事もあります。
ボランティアが楽しいのはそのせいでしょう。

私はADHDという多動傾向が多分にある人間です。
若い頃は落ち着きが無くいつもワサワサしていて
あれもこれも手を付けては投げだし、
手を付けては次の興味に行くというパターンでした。

今はその多動を利用して、一度にいくつもの仕事を同時にこなす事を考えるようになりました。
相変わらず集中力はありませんが、それでも何とかなっています。
周囲のサポートのおかげもあると思いますが
多動傾向を治すとか押さえるのではなく、多動のままで多動を利用して生きています。
何とかなる物です(^_^)v

依頼

もうお気づきかもしれませんが、弱点の表現と相手へのお願いの仕方は
無限に応用がききます。

1、私はお金を使いすぎる傾向があります。
2、節約しなければならない状況なのに、欲しい物が目の前に出てくると、どうしても我慢できなくなります。
3、それで後でとても困るので、お財布の中にあまり現金を入れておかないようにしています。
4、というわけなので、急に外食に誘われたりすると全然手持ちのお金が無いこともあるし、実は外食は今月はナシにする決心をしています。なので残念だけど今月は誘わないでくださいね。
その代わり、お金のかからない楽しいイベントがあったら是非誘ってください。

子育てをする時に、子どもが好ましくない事をしたら、

「それはダメでしょ、ちゃんと片付けなさい!!」
などと言ってしまいがちですが
これだけでは
何がなぜダメで「ちゃんと」とは
どうする事なのかが子どもには分からないでしょう。
こんな時には

1、○子ちゃん、そのオモチャをそこに置くと、お母さんはとても困るの。
2、何が困るかと言うと、お掃除をする時に邪魔になるし、
置き方も不安定なので落ちてきてケガをするのではないかと心配になるわ。
3、お母さんはいつも、オモチャはオモチャ箱に片付けています。
4、だから○子ちゃんも、このオモチャはオモチャ箱に入れてくれると、お母さんはとても嬉しいのよ。

となりますので、無限に応用可能ですね。
日常の会話に、この言葉の組み立て方を使って話すこともできるはずです。
行き違いや勘違いすれ違いが、激減するはずです。